多糖牛乳text

□1◆癖毛、恋の病発病中
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「……銀、さん……」




小さく声を絞り出したのは、


薄栗色の髪の少女。







薄桃色の生地に
大きく咲いた赤牡丹。
緋色の帯締め。


それを

掴み放さない男が



一人。



頑として放さぬ男が一人。



「……放し……て…」


「断る。」



「……おねが…ぃ…」


「断る。」



「……ぃ……ゃ…」


「断る。」



「……も、ゃ…めて…」


「断る。」




プツッ、



という音。



バチンッ!



という音。

その後に。



「放せつってんだろ
 この糖尿天パー野郎ッ!」


両手を突き伸ばした先程の

眼の大きな少女





放さざるを得なくなる程突き飛ばされた、
確かに天然パーマともとれる
癖のある



銀の髪の青年。





この二人の




何処にでも在る

何処にも無い






恋のお話。







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