新商品目当てで入ったコンビニと、そしてまさかのタイミングで現れた綱吉の姿に雲雀が持っていたワッフルをぼとりと落とした。
恐怖のあまりレジで動かなくなったバジルと、空気を読まず雲雀の頭を撫で回し続ける家光。そしてそんな様子を見て、一気に周りの空気を凍らせる程の殺気を放つ綱吉。


「ツナ!良い所に!今日ヒバリもつれて実家に帰って来ないか?」
「…は?」

奈々が同窓会でな、一人じゃ寂しいんだよー。
そんな事知るか。と言うか何でこのタイミングでそれを言うのか理解に苦しむ、と雲雀が眉を寄せて家光を睨む。(本当に空気読めないんだな。)ふざけんなよと、持っていた缶ビールを潰した綱吉がそれを家光目掛けて投げようとした時だった。ふと何かを考えついたのだろう、ぴたりと動きを止めたと思ったら、次には得意なあの凶悪な笑みを浮かべ、いいぜ、とまさかの承諾。
良いよな?と唇を歪めた綱吉が考えていた事をどうしてあの時気付けなかったんだろうと、雲雀が心の底から後悔しているのは今のこの状況のせいだ。


「んぅ!ッ…!」

大量の酒を飲んだ家光が向かい側のソファーで大きないびきをかいて眠っているのを涙の滲んだ目で確認する。
寝返りをうったり寝言を言ったりと、いつ起き出すか分からない家光に過敏に体を強張らせて反応する雲雀の姿がかなり面白いのか、先程から肩を揺らして押し殺した笑い声を零していた綱吉とばちりと視線がかち合った。
にやりと笑い、ぐんっと中で大きくなった綱吉のペニスに息を詰めた雲雀が声を出さぬように必死に口を手で覆う。


「奈々ぁ〜…」
「んーっ…!」

衣服を中途半端に身につけたままの行為は家光が起きたもしもの時のためだろうか、(いや、趣味か?)服が肌に擦れるだけでびくびくと揺れる雲雀を見下ろす綱吉はありえないほど楽しそうな表情をしている。
ぐちゅりと一際大きな音が響いて弱い所が刺激されるそのたびに雲雀が目尻からほろりと涙を流し、逃げられぬ強い快感を必死に受け止める。
ぐらぐらと揺れるソファーの上、隣に脱ぎ捨ててあった学ランがばさりと落ち、それに一瞬だけ気を取られた雲雀の隙をついた綱吉が強く腰を打ち付けた。


「やぁぁっ!」

しまった、と思った時にはもう遅かった。
くっと喉を鳴らした綱吉が更に激しく腰を打ち付けるのに声を抑える事が出来ない。慌てて手で口を押さえ直すが、一度大きく上げてしまった声はなかなか止まってはくれない。
家光が起きたら、もし今のこの姿を見られてしまったら。

「やめて…!」

快楽に流されていた体の力を振り絞り、雲雀が切ない悲鳴を上げて綱吉の体を抱きしめる。
背中に弱々しく回された手が震えているのを感じた綱吉の動きがぴたりと止まり、いやいやと首を横に振る雲雀を見下ろした。
そんなに嫌か?心なしか少し優しい声色でそう問われ、雲雀が小さく頷く。何だかんだ言って結局は雲雀に甘い綱吉だから、きっともうやめてくれると期待した雲雀の耳元で綱吉が囁いた。

「それは最高のお仕置きになるなぁ?」

いっその事起こすか?そう言った綱吉が再び腰を動かし、ぐりぐりと雲雀の弱い所を擦り上げる。


「なあ?あんあんデカイ声出してさ、」
「あ、あっ!」
「起こしてやれば良いんじゃねえ?」
「いや、ぁ…!」

口を押さえようとした腕をがっちりと掴まれ、声を殺す事も出来ない。
ごろんと寝返りを打った家光の顔が目に入った瞬間、雲雀の瞳から大粒の涙が溢れた。

「や――…!!」

目を見開く雲雀が体をしならせ、一際高い声を出しながら射精したのに続き綱吉もその締め付けで雲雀の中に精液を放つ。
腹を満たす生温かい感覚に敏感になった雲雀の体はびくびくと痙攣し、震えていた。

「このままもう一回ヤってみるか。」

にやあと笑った綱吉の言葉が聞いた雲雀がひくりと喉を鳴らし、閉じた瞳から涙を零した。
ばれちゃう…。か細い声とすすり泣く声を綱吉は変わらず笑いながら聞いているだけで、また腰を激しく動かす。


「あいつはあと三時間は起きねえよ。」

強力な睡眠薬を仕込んでおいたからな。
したり顔で飄々と言ってのける綱吉に最悪だと呟き、しかし安心したかのように雲雀は肩の力を抜いた。
全て最初から計算されていた事だったらしく、まんまと騙された事実に沸々と怒りが込み上がるが、じわじわとまた襲い来る快楽に今度は素直に身を預ける事にした。


そしてしばらくして帰宅した奈々が見たのは、起きる気配の全くない家光と、そんな家光の顔に油性ペンでラクガキをする綱吉、そしてぐったりとした雲雀の姿だった。





























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