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□感情
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初めて持った銃は思っていたよりも重くて、初めて撃った銃声は案外好みの音をしていた。


       感情 


別に興味があったわけじゃない。

ただ、必要だったから手にした。

銃を持つことに躊躇いは無く、人を打つことにも躊躇いは無かった。

自分が持っているこの銃で誰が死のうが興味をひくモノではなく、何を得て何を失っても自分の心には何も残らなかった。


でも、初めて執着と言うものを自分の中に感じた。

アイツを失いたくない。だから銃を手に入れ、アイツを奪おうとする奴らを殺した。

正しいことをしたとも、いけないことをしたとも思わなかったが、自分の部屋にアイツがいることで自分の中に喜びが生まれた。


アイツと過ごして初めて自分に『感情』というものが人並みに存在するのだと知った。

アイツを知るたびに新しい自分を知ることが出来る。

だから時任、俺をお前に傍に置かして?

お前がいることで俺は人でいられるから。

まだ愛という感情は未完成だけど、俺はお前を愛してる。

初めて俺に『感情』を与えてくれたお前を・・・


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