BASARA Novel

□甘いお菓子【佐助×幸村他】
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「佐助ー」
木の上で昼寝をしていた佐助は声のした方を見る。
木の下には満面の笑顔で自分を呼ぶ主がそこにいた。
トンっと枝を蹴って、スタっと地面に降り立った。
「なんですか?だんな」
「今日は2月14日なのだ」
「まあ、そうですが」
2月14日・・・なんかあったか?と記憶を探って見る。
別に任務とかそういうのはなかったよなと再確認する。
まさか何か大事なこと忘れてたかと思い聞こうと口を開きかけたとき幸村は佐助の前に手に持っていた箱を差し出した。
「佐助にも食べてもらおうと思ってな」
そういって箱の蓋を開けた。
中には白い団子が詰まっていた。
「某が作ったのだ」
「へぇ、だんなが」
そういって1個だんごを手に取る。
「それじゃ、遠慮なく」
団子を口に入れる。
「・・・」
「どうだ?うまいか?」
うれしいそうにそれはもう期待に満ちた笑顔で佐助に聞いてきた。
佐助はだんごをゴクンと胃に収めると、
「ダンナ、だんごに何をいれたのかな?」
良くぞ聞いてくれたといわんばかりに幸村は答えた。
「餡の中に異国の甘味でちょこれいとというものをいれたのだ」
どうりでと佐助は思った。
まずくはないのだ。
ただ、甘すぎた。
餡の甘みにちょこれいとというものの甘みが加わってものすごく甘いのだ。
そして口に残る。
甘いものが苦手というわけでもなのだが、さすがにこれは甘すぎた。
幸村の方を見ると期待に満ちた視線で佐助を見ていた。
これは「おいしい」というべきなのだろうか?
だが、しかし・・・これはちょっと・・・ね?
できるだけ穏便に軽くいえば・・・と考えて佐助は笑顔で感想を述べた。
「ダンナ、俺としては普通のだんごのがよかったかな〜なんて」
その感想を聞くとあっというのまに幸村は項垂れた。
笑顔がちょっとひきつる。
「おいしくはなかったか?」
悲しそうに佐助を見上げる。
その表情に佐助は弱かった。
「べ、別にそういうわけじゃないよ、ダンナ。ただちょと俺には甘かったかな〜ってね」
「そうか、佐助には甘かったのか。某には丁度よかったのだが」
ダンナの甘いもの好きは特別ですってというセリフを心で呟く佐助。
「佐助で甘すぎるとうことは他の者もそうなのだろうか?」
「はい?」
思わず聞き返す。
「だれにおくったんですか?」
「えっと、伊達正宗殿に、前田慶次殿に長曾我部元親殿に毛利元就殿・・・それと武田のみんなにも」
「いっぱい送ってますね〜って、なんで敵国の武将におくってるんですか?!」
「それはだな・・・」
簡単に説明するとこうだった。
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