贈物

□彼の人の名は
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俺、沢田綱吉はただ今ある疑問を抱えています。
それは…−−−−

「雲雀さんって下の名前では呼ばれたこと無いんですか?」
「…なんで。」

ムッとした雲雀さんってなんだか可愛いんだよな…なんてね。

「いや…みんな雲雀さんのこと『雲雀さん』とか『委員長』とか呼びますけど名前で呼んでる人いないなーと思いまして。」
「………。」

雲雀さんからの視線が若干痛かったので俺はいれてもらった紅茶を一口飲んで視線をやりすごした。てかきっとこの人なら視線で人殺せるよね。絶対。

「君だって」
「はい?」
「君だってそうでしょ。いつもあだ名。」
「あだ名っていってもちゃんと名前入ってますし皆あだ名で呼んでくるわけじゃないですから…。」
「誰か名前で呼んでくる奴いるの?」

あ、なんか不機嫌になった。

「何言ってるんですか雲雀さんですよ。」
「あぁ、僕か。確かにそうだった。」

…機嫌直った。どうしてだ??
まぁいいや。けど確かに俺ってあんまり名前で呼ばれないなー…強いていうならビアンキかな?

「じゃあ僕の名前も君が呼べばいいんじゃないの。」
「はいぃぃぃ!?」
「だって僕は名前で呼んで君は苗字で呼んでくるなんて間違ってるだろ。」
(何も間違ってません!!)
「いや…でも………あの、そのー」
「何…嫌なの。」
「嫌じゃないんですけど…」
「なら呼んでよ。」
「いえ…あのですね………」
「何。」
「ものすっごく恥ずかしいんですけど…」
「そうかい?」
「だってこういうのって呼ぶ方も呼ばれる方も恥ずかしいもんじゃないですか!?」
「別に僕は君の名前を呼ぶのに恥ずかしさはないんだけど。」
「俺は恥ずかしいんです!!」

あーなんだこの羞恥心の無い人は!!
俺は名前呼ばれただけで恥ずかしいっていうのにさ!!…そりゃ嫌いじゃないけど…

ギシッ

…何の音??

「ねぇ、一人で考え事しないでくれる。」

あれ…いつの間に俺の隣なんかにいらっしゃったんですか雲雀さん!!

「呼んでくれるの、くれないの。」

質問されてるのに答えが「呼ぶ」しか無い気がするのは俺の気の性だと誰か言ってください!

「ねぇ…綱吉。」
「ひ…雲雀さん!」

耳元って反則じゃないんですか??レッドカードとかでないんですかコレ!
本能で逃げようとした腰は雲雀さんの手によって逃げ場を失っている。

「もしかして…僕の名前忘れた?」
「そんなわけ無いじゃないですか!!」
「じゃあ呼んで?」

小首傾げたりしないでくださいー!!
あ〜…やばい。今俺顔赤いわ。もうここは覚悟を決めちゃった方がいいのか?
いいのは分かってるんだよ!でも…その…あー!!!もうどうにでもなれーーー!!

「き…」
「き?」
「…恭弥…さん。」



ゴンッ☆



「いったーーー!!」

なんで!?ちゃんと名前合ってたよね!合ってましたよね?なのになんで頭突きしてきたんだよこの人ー(泣)

「君…可愛すぎ。」
「はい!?…って雲雀さん顔が赤…!?」

…突然キスされても困りますよね普通!

「ひ…雲雀さん何して………」
「…駄目だよ。」

何が駄目ですか!?俺の存在が!?

「これ以上僕を惚れさせてどうするの。」
「は…?惚れさせるって…あの…え?」
「ねぇもっと呼んでよ。」

あのぉー、雲雀さん顔近くないですか…?

「え、あの…雲雀さ…」
「恭弥だよ、綱吉。」

耳に息がかかってるんですけど(涙目)
絶対確信犯ですよね雲雀さん!!

「呼んで。綱吉。」



雲雀さんの馬鹿ー!!!(泣)



そんな綱吉の叫びが応接室から聞こえてきたとかこなかったとか。
−−−今日も並盛中は平和です。












伊吹様!遅くなりましたが、リクエストされた品にございます!!
なんかリクエストとズレちゃった気がしないでもないですがいかがでしょう?

返品依頼又は感想はいつでもOKですよ!

なんだかんだいって雲雀さんがSっぽくなってゴメンナサイ。
そして綱吉視点苦手なので情景が伝えきれたかと心配でなりません。
最後に綱吉君は雲雀さんに馬鹿とか言っちゃってますけど結局リクエストに答えてあげるのではないかと妄想してます(笑)

何はともあれ二人が幸せならそれでいいユリアでした☆
伊吹様、リクエスト本当にありがとうございました!!

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