贈物

□朝が来る
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部屋に朝日がきらきらと降り注いでいる

(…5時)

部屋の主 雲雀恭弥はいつものような機敏な動きではなくのろりとした動作でベットから上半身だけを起こそうとした
…が雲雀の隣にゴロリと何かが転がってきて中途半端に動きが止まる

(?)

不審に思った雲雀が隣を見れば後輩であり恋人(というと本人は顔を真っ赤にして嫌がる)沢田綱吉が雲雀の起床にも気付かず寝入っていた

「………何でいるの。」

聞いてももちろん綱吉は答えない…爆睡しているからだ

「まあいいけどね。」

雲雀はスヤスヤ眠っている綱吉がよく見えるように体を少し移動させてじっくりと観察する
十分観察したあと不良達を咬み殺しているときとは違う優しい笑みを浮かべ一言…

「可愛い。」

…しかし、もともと飽き性な雲雀である
見ているだけ、がつまらなくなってきた
ごそごそと布団の中に潜り込んだかとおもうといきなりギュッと綱吉を抱きしめた
抱きしめられた綱吉は少し身じろぎをした

…と思えば雲雀に猫の様に擦り寄り始める
綱吉の手は雲雀の衣服をギュッ掴んでいる…端から見たら子供にみえてしまう

(なに、この可愛い生き物!!)

綱吉の無意識の行動と密着してるが故に伝わってくる自分より温かな温もりに雲雀の心拍数が少し上がる

(…けど僕だけこんな風になるなんて不公平だと思わない?)

ふと思い付いた考えが雲雀の心にイタズラ心と好奇心を芽生えさせた
雲雀は耳元に口を近付けて意地悪にも綱吉の嫌いな(ほんとは好きだと知っている)低音の声で囁いた

「綱吉、起きな。」

綱吉の肩が少し揺れ、雲雀の衣服を握る手に力が篭った

「綱吉。」

再度名前を囁いたとき、綱吉はうっすらと目を開けた
だが、まだ覚醒しきれていないのであろう
綱吉の視線は虚空をさ迷っている

自分がどういう状況か把握しきれていない綱吉に仕方ないな、という顔をしてみせて雲雀は奥の手を使った

「キス、するよ?」
「///!?」

一気に頭が覚醒したのか、綱吉はわたわたと逃げ出そうとするが雲雀がそれを許さない

「ていうかしていいよね。」
「え…ちょ、待って下さいよ雲雀さん!!あの、まだ起きたばっかですよ!?」
「僕は君が起きる前から起きてる。」
「けど…!」
「煩い。」
「ん!」

反論しようとする綱吉の口を無理矢理塞いで雲雀はこころゆくまで綱吉の咥内を堪能する

「ぷはっ」
「ご馳走様。」
「〜〜〜〜ッ///」
「なに可愛い顔してるの。」
「かっ…可愛くないです!!」
「いい加減認めたら。」
「認めません!!」
「君って意外に頑固だよね。」
「雲雀さんこそ。」
「へえ。言うようになったね綱吉。」
「え…」
「じゃあどっちの方が頑固か決めようか。負けたら認めなよ。」
「あ、あの…何をなさるおつもりで…」
「さあ、何だろうね。」
「お顔が近いんですけど…」
「さっきまでキスしてたんだから当たり前でしょ。」

そう言いながら綱吉との距離を少し縮める

「もしかして…」
「君がぐずぐずに熔けるか僕の理性が切れるか…どっちが先だと思う?」
「ほえ!?…んッ。」



世界に朝が来ても
彼らに朝はまだ来ない。






さあ、勝ったのはどちらでしょう。






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