長篇
□あなたは、だぁれ?
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あなたは、だぁれ? Side:綱吉
誰か夢だと言ってくれ!!
アジトが見つかったから来い、と言われた場所は何故か並盛中だった。放課後の閑散とした感じの中、着いた場所は今まで見たことの無い部屋だった。
「応接室…?」
「お、ツナお前もチビに呼ばれたのか?」
「山本てめぇっ、10代目に馴れ馴れしく話かけてんじゃねーよ!帰れ!!」
「ん?でも俺チビに呼ばれたしさー」
「ここ、本当に入っていいのかな?」
「10代目が入ってはいけない所なんて、この世にはありません!さあ、どうぞ!」
「ご、獄寺君!!?」
ノックもなしに獄寺君が開いた扉の先には高そうなソファーなんかがある、応接室らしい応接室だった。
「やっと来たか。」
「リボーン!」
「ちゃおっす。」
「リボーンさん、すげぇっすね!こんな所をアジトにしちまおうなんて!」
「まあな。」
「流石です!!」
「なあ、坊主、」
「なんだ山本。」
「此処は…止めといた方が良いと思うぜ?だって此処は……」
「だからだ。」
ニヤリとリボーンが笑ったと同時に閉じられていた応接室の扉が開いた。ぞっとするような殺気のようなものを感じとった途端相手はもう攻撃体制に入っていて、振り上げた何かを俺が必死になって避けると床に亀裂や皹が無数に走った。
「良い度胸だ、僕の部屋で何してるの?」
殺すよ、と言った声に、聞き覚えがあった…いや、あった以上だ。
恐る恐る身を守っていた腕を外した先には……ほら、予想通りの…人。
「雲雀、さん…」
「沢田…」
互いに呼び合うその声に山本と獄寺君は驚きを隠せなかったようだし、あのリボーンですら目を見張った。
雲雀さんの腕に輝く腕章、そこには…
「風紀、委員……」
七不思議のような話。風紀委員長はやばい…血塗れの男を引きずってた、……原型を留めないほどだった……。
気が付いたら走り出していた。
「10代目!」
「ツナっ!!」
……ああ、あの二人に逃げなきゃ、て言わなきゃ…いや、雲雀さんはそんなことしない、人を殴ったりとか……しない、
『風紀委員長はマジやべぇ!』
風紀委員長じゃない、ただ、委員会が……委員会が風紀なだけで、委員長とかじゃ……でも、何となく分かる。雲雀さんはあの風紀委員の委員長だ。
なんで俺、こんなにも悲しいんだろう
ファンタジーは崩れる為にあるんだから。