贈物

□一万打感謝:お題
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甘い、と言う。
瞳から流れる塩水を舐めては甘いと言う。
唇を重ねて、唾液を交ぜるたびに、
頬を撫でるたびに、
彼は何度も甘い、と口にする。


「雲雀さんの舌は、変。」


文句を呟いてもそれすら甘いと言う。
…おかしな人。
舌が狂ってしまっているに決まっている。


「雲雀さんのが、甘いのに」


甘いと囁く貴方の声が、
空気を震わせる喉が、
俺に触れる手が、
甘くて蕩けそうでいつもくらくらしてる。


「君のが、甘い。」


貴方はきっと砂糖で出来てる。
砂糖に蜂蜜をかけてもまだ足りない。
それぐらい、貴方は甘い。





俺を愛する貴方は甘い人。
だから俺までもトロトロに熔かされて
貴方と混ざり合って、
……だから、俺は貴方の次に甘い






味を味わう味覚





 
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