長篇

□あなたは、だぁれ?
2ページ/2ページ

あなたは、だぁれ? Side:雲雀






こんな形で知られるとは思ってなかったよ






最近見ないとは、思ってたんだ。
心の片隅には居た。何であの子が此処に?


「雲雀、さん…」

「沢田…」


武器を振り下ろしたことに罪悪感は微塵もない。此処は僕の場所で、僕がルールだからだ。なのに、何故手が止まる。
何故たやすく逃がしてしまう、この僕が。

……逃がしはしない。


「予想外におもしれぇな、」


そう後ろから聞こえた声は、ああ、…君?
いつかまた会うと思ってたよ。
けれど今は後回しでも構わないよね。

後ろ姿は簡単に見付けられて、なりふり構わず追い掛けてみたものの、追い付いたら僕はどうするのか。何を話すという。

それでも僕は、君に会わなくちゃいけない


「さわだ…」






ねえ、君は今、何を考えてる?






一人で泣いてなんかいないよね。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ