長篇
□あなたは、だぁれ?
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あなたは、だぁれ? Side:雲雀
こんな形で知られるとは思ってなかったよ
最近見ないとは、思ってたんだ。
心の片隅には居た。何であの子が此処に?
「雲雀、さん…」
「沢田…」
武器を振り下ろしたことに罪悪感は微塵もない。此処は僕の場所で、僕がルールだからだ。なのに、何故手が止まる。
何故たやすく逃がしてしまう、この僕が。
……逃がしはしない。
「予想外におもしれぇな、」
そう後ろから聞こえた声は、ああ、…君?
いつかまた会うと思ってたよ。
けれど今は後回しでも構わないよね。
後ろ姿は簡単に見付けられて、なりふり構わず追い掛けてみたものの、追い付いたら僕はどうするのか。何を話すという。
それでも僕は、君に会わなくちゃいけない
「さわだ…」
ねえ、君は今、何を考えてる?
一人で泣いてなんかいないよね。