我が元に集え


□ 〜act:2〜
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「うぉっ、寒っ」

明け方、この地方は強い風が吹く
特に春先は冷たい為、昼間晴れるとしても上着が必要だ

「さてと、行くか」

取り敢えず町から出て、隣町に向かう

隣町とは言うが、行くのに半日は掛かるし道中魔物は出る
出くわさない様に回り道すれば、その着く迄の時間は軽く倍になる

「此所を通るのも、久々だな、やっぱ森の中は空気が美味いなぁ」

時間が掛かっても良いんだけど、今回は敢えて森の中を突っ切る事にした

まぁ、此所を通り抜けられないなんて事になれば、師匠が枕元と言わずその場で化けて出て来るだろう

あの人の鍛え方は、そんなに柔(ヤワ)じゃない


「グルルルルル……」

「お?」

とか考えてたら、狼……に見える魔物がゆらりと表われた


何で、魔物か分かったかと言えば

先ず牙が異様に鋭い
口が大きい、大き過ぎる
尻尾が二本在る
そして何より……










狼は、脚が六本在ったり全長が2mを軽く超えてたりは、しないからだ
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