我が元に集え
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【翌日】
未だ薄暗い町中を、俺は独りで歩いていた
ずっと、俺はずっとこうしたかった
今から10年前、俺は未だ7つだった
その年、両親は隣国との戦争に巻き込まれて、死んだ
幼い俺を、流れ弾から庇って
戦争真っ只中の当時のこの国は、国民の三分の一が浮浪者で在ると言われ、俺もその内の1人として、暫く過ごした
両親の血に濡れたままで
俺は当ても無く彷徨った
食べる物は強い者や一般の者に回され、殆ど口に出来なかった
表は人が多いから、日の差さない暗く寒くジメジメした路地裏で眠った
見付からない様に、そして少しでも暖を取ろうと身を寄せ、隅で蹲る
大きな通りを歩けば石が飛んで来たりするのが当たり前
寄るな病気になると道行く人が皆避けて、その間を罵声と物が埋めた
それが、当時の俺の「日常」だった