CP小説

□Sweet magic
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「多串君!」


聞き慣れた声が今日はやけに上機嫌に聞こえたかと思うと、いきなり俺の背中にのしかかってきた。


「てめぇ‥退け。」

「今日は何の日だ?」

あろう事か、俺の言葉を無視して勝手に事を進めやがった。
人がせっかく用意してきたというのに。
一気に渡す気が失せた為、ソレをポケットの、より奥へと忍ばせた。

「知るか。」


わざと知らない素振りをして話題を反らす。

「またまたぁ!本当は知ってるくせに、照れ屋さんvV」

本当に‥コイツには何かセンサーの様なものが付いてるんじゃないかと思う程、言い当てられてしまう。
いつも一言余計だが。

「知らねーつってんだろ。」

それでもあながち間違っちゃいない所が余計ムカつく。


「くれないの?」


もし今コイツの頭に獣の耳が生えていたら、しゅんと項垂れているであろう。
けど俺は、表情がコロコロ変わるコイツに甘い。
ポケットに手を突っ込み、小さな箱を押し付けるように渡す。
ラッピングは、店のものを見よう見まね、試行錯誤して作ったものだった。

「多串君‥!」

「先に言っておくが、義理チョコだかんな!」

そう言ったものの、依然反応を示さない銀時。
先程まであんなにねだっていたのに何事かと心配になってきた。
俯く銀時の顔を覗く様に首をかしげる。
特に変わった様子はないのだが‥‥

「どうし‥‥」

「ありがとう!!」

心配しているこちらをよそに、いきなり抱き着いてきやがった。

「なっ!?お前っ‥」

「いやぁ、感動して声が出なかった〜。」

わざとらしく頬をすりよせながら言ってくる。
銀の髪が俺の口元を霞めて擽ったかった。

「反応が無いと思って心配した?」

的確に図星をついてくる。
本当に、コイツには何かセンサーが付いてるんじゃないのか?

「違げーよ。」

いつもの様に生意気口叩けば、彼は優しい微笑みを返す。
その表情がどうしても好きで、コイツから離れられなくなる。

「甘い‥」

さっそく先程の包みを開け、チョコレートを頬張る。
優しく浮かんだ笑みは、チョコレートに向けたものか、それとも‥

恋はチョコレートみたいな甘い層が幾重にも重なっているようだ。


□ 銀土、初めて書きました‥ιなんかよくわかんないですけど、こんなんでいいんでしょうか?
感想あればお願いしますm(__)m




2008.02.24
駿河

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