FE小説

□優しく包まれて
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「ヘクトル?」



オスティアの城のヘクトルの部屋

ここにヘクトルがいるはずだとマシューに聞いたのだが…見当たらない



「まったく…一応ヘクトルが主君なんだからちゃんと居場所くらい把握しておきなさいよね」



ついついマシューに文句を言いたくなる

少なくともケントは私の居場所を把握している



「あれ…?」



ヘクトルの広々とした部屋

大きなベットに机…鑑賞用の鎧などありきたりな物ばかりだが一つ目についた物があった



「ふふ…威厳の塊みたいな物をこんな適当にしてるなんてヘクトルらしいわね」



椅子にだらしなくもたれる一つの青い衣

会議などでもよく着ている物で若き猛将のトレードマークとも私は思っている

それが適当に置いてあるのを見るとヘクトルらしいなと微笑ましくなる



「たしか…この前もこれを着て街に出て汚してきたとから代えが一つしかないとか言ってたわね」



それをこんな適当に放置するなんてヘクトルはともかく待女達の表情が厳しくなりそうだ

可哀想なのでクローゼットくらいには片付けておいてあげた方がいいだろうか?

そう考えてヘクトルの青い衣を手に取る



(あ…やっぱり大きい…)



ヘクトルの服だけあってやっぱりかなり大きい

やはり重騎士並の鎧を着て平然と動き回り、斧を振り回す男の服は私の服よりかなり大きい



「………」



好きな男の服

そう思うと少し恥ずかしい気持ちになる

ネルガルと戦っていた時はお互いに素直になれなくてよく喧嘩腰になっいたけど…

それがヘクトルが少しずつ優しくなってきた時は戸惑った

そして今やヘクトルに誘われてオスティアで暮らす生活だ



「少しくらいならいいよね…」



少し乙女な思考だな…と自分でも思う

ヘクトルなんかに見られたら似合わねぇと少し小馬鹿にするような態度をとるかもしれないけど…

思い立ったらほとんど迷わずに行動をおこしていた









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