FE小説

□今ある幸せ
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あの方はとても強く、憧れてしまう

しかしあの方の強さに憧れるのは私だけではない

たくさんの人があの方を英雄として褒め称えている

私は…























「エリンシア様?」

「あ…」



いつの間にかぼーっとしていたようだ

机の上に目を通さなくてはいけない書類が山のようにあるというのに



「大丈夫ですかエリンシア様?
最近はやはりお疲れで…」

「いえ、大丈夫ですジョフレ」



心配をかけてしまった事に謝罪をして書類に目を通す

中には私のサインも必要な物もあったりしてしっかりと読まなくてはいけない

しかし今は何故かあの方の事が頭に思い浮かんできて仕方ない



「…少し休憩なさってはいかがですか?
残っている書類は今日中に見なくてはいけない物ではありませんし…」

「い、いえ。大丈夫ですから」



ジョフレにまた心配をかけてしまう

しかし疲れがたまってる訳ではないので…

自分が本当にだらしない



「…アイクの事ですか?」

「え!?」


ジョフレにいきなり心を読まれた感じがした

驚きのあまり心臓の音が高まって聞こえる



「な、なぜ急に…?」

「…今のエリンシア様を見ていればわかります」



複雑そうな顔をして言うジョフレだったが…

ジョフレにあの方の事を正確に言われたせいで余計に頭に思い浮かんでくる



「す、少し風にあたってきますね」

「…はい」



ジョフレから逃げるようにベランダへと向かう

書類が置かれたこの部屋はすぐ隣にベランダがある

普段は景色の良いベランダだが…

今の私の目にはまったく景色が写らなかった







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