FE小説

□食せよイレース
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「………」

「………」



夕日も落ちて周囲が暗くなってきた

今日の晩飯は早めに用意され、ほとんどの者が食い終わったが…

イレースという名の女魔導師は尋常ではない量の食事を未だにしていた



「…なん、ですか?」

「いや、よく食うなと思ってな」



イレースの席に向かい合って座るのはクリミア、ラグズ連合軍の大将アイク

彼もまた食事の量…特に肉に関しては果てしない量を食うが彼女の食いっぷりには少し呆れている



「お前とあのピンク色の…
どっちが食事する量多いんだろうな?」

「ピンク色の…?」

「ああ、ピンク色で体が丸く…口の中に何でも吸い込む凄い食い意地のある奴だ」

「……?」



イレースにはアイクの話がまったく分かっていないようだ

物忘れの激しいイレースでなくとも軍にいないピンクで丸い人物など分かるはずもないが



「オレも何度か食われてな…初めての時は生きて戻ってこられるか心配になったぞ」

「アイクさんを…食べたんですか?」

「…ああ」



食われた後、そのピンク色の丸い奴はラグネルの用な物を持ち…


オレの技をマネしてきたのには驚いたとアイクは話を続ける

しかしイレースはほとんど話を聞いておらず興味を持った事で頭が一杯だった



「アイクさんは…美味しいのですか?」

「……何?」



イレースは食事に使っていたナイフやフォークを手にしてアイクに話しかける

英雄と名高いアイクだが今のイレースには尋常ならぬ恐怖を感じたとか



「私も…アイクさんを食べてみたいです」

「ま、待て!食べられたというより吸い込まれたで…
すぐに吐き出されたし不味いと思うぞ!」

「でしたらオスカーさんに美味しく料理してもらいます」

「目が本気だぞイレース!」



イレースは容赦なくアイクに襲いかかり…

アイクの悲鳴が夜闇に響き渡ったとか…








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