FE小説

□流れる時間
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いつから一緒にいると辛く感じたのだろう

いつから一緒にいると幸せを感じたのだろう

そんな、複雑な循環はいつも私の心を荒立てる



「…ミカヤ?」

「…あ、なに…?」

「元気ないみたいだけど…大丈夫か?」



心配そうに私を見つめてくれるサザに平気…と答えるが平気なワケがない

貴方はいつまで私といてくれる?



「…全然平気そうじゃないぞ」

「…そう?でも大丈夫だから…」



また一緒にいるのが辛くなってきた

けど…一人になったらもっと辛い



「俺は…そんなに頼りにならないか?」

「凄く頼りになってるわよ?」



私に優しくて…暖かく抱きしめてくれて…

前の戦争でもサザがどんな時でも一緒にいてくれたからこそ頑張れた

けど…私は長く生きる

サザとのいつかくる別れの時を考えるのが凄く辛いの

その辛さから逃げるためにサザを嫌いになりたい

でもサザが…好きだから離れられない



「…だったら何で泣いてるんだよ?」

「え…?」



いつの間にか頬を流れる涙に気がついたのは私ではなくサザ

サザは優しく指で涙を拭いてくれて…


気がついたらサザの手を両手で握っていた



「ずっと…サザと一緒にいたい…」

「ミカヤ…」



長生きする私の悩みを察するサザ

あまりこの悩みを打ち明けたくなかったけれど…

サザが優しくて、頼りになるから言葉に出してしまった



「今はさ…辛い事より楽しい事を考えてくれ」

「え…?」

「限りある時間を辛い思いするより…オレと一緒にいて笑ってほしい」



大した事を言えなくてごめん、と申し訳なさそうに言うサザ

けど…私はサザの言う通りだと今更に実感した

このまま避けて、逃げてばかりだと大好きなサザとの思い出が悲しい物にしかならない



「頼りにならないかもしれないけど…俺がいる間はミカヤを幸せにしたい」

「サザ…」



いつの間にか頼りになっているサザ…

私は自分の弱さを実感させられるけど…頼りになるサザに甘えられるのも幸せ



「ありがとう、サザ…私は凄く幸せよ?」

「俺も…ミカヤと一緒にいられて幸せだ」



サザは優しく私を抱きしめてくれる

いつの間にか流れた涙は…またいつの間にか止まっていた








→あとがき
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