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□Your story...
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「ちょい、待ってて」
そう言われて人の家の玄関前で待たされる俺。
なんでもいいから早く来いよ。
Your story...
それは突然だった。
部活が終わって一息して、さあ帰ろうって時に。
「なあなあ、花井。」
「あー…?」
ちょっとだけ素っ気なく返したら一瞬困った顔をしたけど田島は難無く話を進めていった。
「今日さー、渡したいもんあるから家寄ってて。」
「おー?寄ればいんだな?」
「おぅ、だから一緒に帰ろーぜ!」
と、言う訳で俺は今田島家の玄関で座って待ってる。
(早くこねーかな、つか渡したいもんって何だよ)
「こんばんは」
「う、ぉ!?」
急に声を掛けられて思わず飛び上がってしまった。
「ちわっ、お邪魔してます」
この人、どこと無く田島に似てる……、じゃなくて似てて当たり前だ。
……田島の兄さんだ、
「花井君、だよね?」
「あ、はいっ」
「やっぱそっか、君が花井君か!悠からいつも話聞いてるよ、キャプテンなんだってな!」
へらへらと笑いながら俺に話し掛けて来る田島の兄さん。
ボンヤリ羨ましいとか思ってしまう。田島は兄さんとキャッチボールしたんだろうな、とか。よく、似てるなとか。
「花井君、悠の事よろしくな!なんかべったり懐いてる見たいだけど嫌いにならないでやってな。」
へへ、と笑って田島の兄さんは行ってしまった。
(なんだったんだ…?)