main

□生クリームパニック!
2ページ/3ページ


ガサガサとビニール袋から、さっき買ったばかりのものを出す。

「あ、」

拍子抜けな声を出して叶は俺を見た。

「今日、誕生日なんやろ?だからケーキ、食お」

「なんで知ってんの?」

そんな問い掛けに、まあ、オレやからな、と笑いながら言うと足蹴された。

「まあ、食おう、なっ」


コンビニで貰ったフォークを渡すと何処か嬉しそうに見えた。


「あま…、」

等と言いつつも結局全部食べとるし。




……あ。
口に生クリーム付いとる。




「……叶、」

「は、何?」

「ええか、絶対動くなよ…?」

「なんで。」

「ええから、」


そう言って叶に近付いて口に付いた生クリームを舐めた。


「うわっ、何すんだっ!!」

「顔真っ赤にして言うても、可愛いだけやで、」

くく、と笑ったらまた足蹴された。

「何するん、自分!?」

「今のはお前がわりーっ!!」

「いや、口に生クリーム付けっぱなしにしとる叶が悪い、」

言い合いになって、気が付けば軽いじゃれあいみたくなって。

バチ、と目が合ってオレは叶の了解も得ずにキスをした。

最初は触れ合うだけのキスで、
だんだんと深いものに変わっていって。
気が付けば叶の息は上がってた。

「ふっ…、お、だぁ…っ、あま…いっ」

多分さっき食べたケーキの甘さが口の中に残ってたんだろう。


でも、もーむり。
そんな顔されたらオレかて堪えられへん。




きみのうまれたひには、
あまいあまいショートケーキを。




end




あとがき→
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ