□Trick or treat.
1ページ/1ページ

「花井っ!お菓子くれなきゃイタズラするぞ!」


「……は?」



ゴツン



「いってぇ!!…っ、あ…れ……?」



Trick or treat.



10月31日、日本の文化では何の行事も無い、ただ普通の日だと思ってた。
けど、違った。
今日の英語の授業で担当の先生が言ってた。
今日はハロウィンという、お祭りなんだ、と。
”トリックオアトリート”という、言葉を言うとかどうとか。(俺は眠たくてうっすらとしか聞いてなかったんだけど。)
要するにお菓子くれなきゃイタズラしていい、って話、だよな…?


(花井に会ったら、言ってみよっ)


と、言う訳で昼休み廊下で花井を見付けたから飛び付いて聞いた訳なんだけど…。
勢いよく飛び付いたせいか、花井はバランスを崩し頭をぶつけ倒れてしまった。








「あ、気が付いた!?」

「あれ、俺…何で、ほけんしっうわ」

「わぁあ、花井ごめんなぁっ!!」

わあわあと泣きながら花井に抱き着いた。
このまま、目を覚まさなかったらどうしようかと思った。

「いてー…」

「花井、ごめん、ごめんっ、目覚まさなかったらって、わぁん、はないーっ!」

「あー…、今何時…」

「え、と…8時過ぎ…」

「俺、倒れたの昼休みだよな…」

「う、ん…」

そんなに意識失ってたのか、と、恥ずかしそうに頭を掻いた。

「田島、部活…は?」

「…行ってない」

「は?」

「だ、だって花井がゲンミツに心配だったし…、元はと言えば俺のせいだし、さ…」

「……っぷ」

「え、何、何で笑うの?!俺、俺っ」

凄い焦ったし、ほんと、ほんと怖かったのに。

「お前必死すぎだ、そーいや、俺になんか用事あったんじゃ…?」

「あ、あ、そうだ、トリックオアトリート!」

「は?」

「いや、だから、トリックオアトリート!」

「お菓子なんて持ってねー…、」

「じゃ、イタズラしていいんだよ、な!?」

ずい、と身を乗り出して花井に近付いた。

「は、ちょ、まっ…んんっ」


花井が目覚ましてくれて嬉しくて一気に安心して泣いて。
良かった、ホントはホントはもっとえっちなイタズラとか考えてたんだけど。(花井は絶対お菓子とか持って無さそうだし。)



だから、今回はキスだけで、我慢。



end



!!!
幸江様リクエストでしたっ!
もっと花井にイタズラしたかったんだけど…、うぐ。
また今度、うんっ、今回は田島が花井に痛い思いさせちゃったので(あぁ、でもいろんな意味でいつもかな?(笑))
今回は珍しく我慢させてみま、し…た。
いつかリベンジしたいなっ!

リクエストありがとうございましたっ!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ