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□青春の1ページ、
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青春の1ページ、

田島はすげぇ子供みたいな奴で(言うならば俺も子供だけど、)
俺がしっかりしなきゃ、って。

「花井、」

「え、あー?」

「俺の話聞いてた…?」

「わり、何だっけ…?」

ぷぅ、と頬を膨らまして拗ねる田島。
あれ、何の話してたんだっけ…、

「花井、疲れてんの?」

ぎゅぅ、と前から抱き着かれて、でも此処は学校で。

「う、わ、田島っ?!此処、がっこ…っ」

そんな事言っても離してくれる素振りなんかなくて、逆にさっきより腕に力入ってて。

不意に腕の力が弱まったかと思うと右手で自分のズボンのポケットから、かわいらしい包み紙を取り出して自分の口に持って行った。

ピンク色のそれは田島の口の中でころころと転がる。
ふわり、と甘い、匂いが俺のとこにまで来た。

「花井、屈んで」

「…?」

「いいからっ、はやく」

そう言ってぐいぐいと、襟元を掴む。半場強制で田島と同じ目線まで屈んで。

ふわ、と突然口の中で拡がる甘さに驚いて、突き飛ばそうと試みるが首に腕が上手い具合に絡んで、それは失敗に終わった。

甘い−…、

などと考えてると、田島の舌が急に入り込んで来た。

「んんっ…」

逃げ回る俺を楽しそうに追い掛ける田島。舌に残る甘さと、田島の唾液に交じる甘さとで、俺はどうにかなってしまいそうだった。
からん、と口の中で音がして。
気が付くと俺の口の中には今まで田島が舐めていただろうと思われる飴があって。

「うまいだろっ!疲れた時には甘いもんがイチバンだってばあちゃんが言ってた!」

「おま、普通にっ、くれたらいいじゃねー、か…!」

調わない俺の鼓動と、息と。

「俺はゲンミツに花井とキスしたかったの!」

「なん、だ…っ、それ…」

「へへっ」

でも、なんでだろう。
こういうキスも悪くないなって思ってる俺が居て。

「花井、疲れたなら言えよっ!あんま、一人で抱え込むなよなっ!」

「おー…」

恋人の持ってる力は偉大だった−…、
ただ、この日以降、この飴を舐める度に今日の事思い出すんだろうな、と思うと少し恥ずかしくなった。



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