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□Though nothing says...
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なんで、何も言わなくても君には伝わってしまうんだろう。
まるで、俺の心を読めるかの、ように。
君は―…、


Though nothing says...



気分は憂鬱。
天気は晴天、なのに俺の心は晴れないままで。
教室が居心地最悪で、人の声を揉み消す為にいつもより大きな音量で音楽を。
今は何も見たくないから机に顔を埋めゆっくりと目を閉じた。。





「…み…っ、……たに、……みずたに!!」

誰かが俺を呼んでる、あれ、俺…寝てた?

「…あれ、さかえぐち?」

何でお前が此処にいんの、と辺りを見回すと、どうやら今は昼休みらしい。阿部や花井は居ない、クラスの奴等は弁当を食べてる。

「やっと起きたよー、」
ふぅ、と向かいの席に座りクスクス笑う君を尻目にまた俺は自分の世界に入り込む。

「何聴いてるの?俺にも聞かせて、」
強引に俺の左耳にしてたイヤホンを奪い取って自分の左耳につける。

「ちょっと音が大きいや、」
と苦笑いして俺の方を見て、

「水谷、何か悩んでんの?」

「うぇっ…?!」

「いや、ほら、何かいつもと違うかなぁ、って思ったんだけど、俺の気のせいかな、」
首を傾げ、勘違いならいいや、気にしないでと弁当に手を伸ばした。


なんで、君には分かっちゃうんだろう。
なんで伝わったんだろう。

わかんなくて、でも気持ちが少し晴れたような気がした。




end




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