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□すれ違う心、揺れる想い
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人を好きになる事はあっても、恋愛対象で人を好きになるなんて事、今までに一度も無かった。
の、に。
出会ってしまった。
”花井 梓”
女ぽい名前だけどれっきとした男で、西浦高校の野球部主将で。
背が高くて、凄くかっこよくて、頭がよくて、面倒見のいい頼れる奴。
近付けば近付くほど、花井の魅力はどんどん見付かっていく。
なんて、なんてかっこいいんだろう。
気が付いたら知らない感情まで生まれていた。
人を初めて好きになった。
胸がどきどきして、一緒に居れる事が幸せで。
毎日が凄く楽しくて。
でも、俺の一方通行な想いだった。
「はないっ」
「どした、」
朝練が終わって急いで着替えてる花井に声を掛けた。
「昼休み、一緒にご飯食おうぜ!」
「? …いつも一緒に食ってるだろ?」
「…い、いいじゃんっ!とにかく、屋上でなっ!」
「おー…?」
無理に誘って、ホントは、阿部や水谷とか、同じクラスの奴と昼食いたいんじゃないかな、って思うんだけどさ。
クラスだって違うし一緒に居られる時間なんて部活位だしさ。
このくらいの我儘、言ってもいいじゃん…、ね。
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