□すれ違う心、揺れる想い
2ページ/6ページ

人を好きになる事はあっても、恋愛対象で人を好きになるなんて事、今までに一度も無かった。

の、に。

出会ってしまった。

”花井 梓”

女ぽい名前だけどれっきとした男で、西浦高校の野球部主将で。

背が高くて、凄くかっこよくて、頭がよくて、面倒見のいい頼れる奴。

近付けば近付くほど、花井の魅力はどんどん見付かっていく。

なんて、なんてかっこいいんだろう。

気が付いたら知らない感情まで生まれていた。
人を初めて好きになった。
胸がどきどきして、一緒に居れる事が幸せで。
毎日が凄く楽しくて。




でも、俺の一方通行な想いだった。




「はないっ」

「どした、」

朝練が終わって急いで着替えてる花井に声を掛けた。

「昼休み、一緒にご飯食おうぜ!」

「? …いつも一緒に食ってるだろ?」

「…い、いいじゃんっ!とにかく、屋上でなっ!」

「おー…?」



無理に誘って、ホントは、阿部や水谷とか、同じクラスの奴と昼食いたいんじゃないかな、って思うんだけどさ。

クラスだって違うし一緒に居られる時間なんて部活位だしさ。

このくらいの我儘、言ってもいいじゃん…、ね。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ