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□君と僕の時間 ※
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…なんだよ、花井の奴…
阿部と楽しそうに話しやがって…
俺だって花井が、あんなに笑うとこなんてあんまり見れないんだぞ…!?
無性に悔しくなって、悲しくなって、俺は屋上へと走った。
*
屋上に着いて、誰も居ない事を確認し、俺は大きなため息をついた。
今の俺は凄い酷い顔してんだろーな…。
嫉妬して、悔しくて、泣いて…。
花井にとって、俺はイチバンじゃないのかなぁ…、
扉の開く音が、した
(あ、やっべ…)
誰かに俺が泣いてただなんて見られた日には恥ずかしくて明日から学校来れなくなるぞ、と思い
急いで涙を拭き取った。
「た、じ……ま?」
「う、あ…花井!?」
まさか、追い掛けて来るとは思わなかったし、俺が居る場所が分かるとは思わなかった。
「たじ…「く、んな…」」
あぁ…言っちゃった。
でも俺だってこんなみっともない姿を好きな奴に見られるのは嫌だ。
「た…じ、ま…」
花井だって俺が怒ってる理由とか全然分からないのに、
俺ばっかり怒ってさ…
あぁ、…恥ずかしいな。
「はな、い…」
俺は情けなくて、でも追い掛けて来てくれた花井が凄く愛しくて、
花井に抱き着いた。
「う、あ、田島?!」