百神いろいろ置き場

□ジーアレ その1
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「最終進化お疲れ様ですジークフリート」
「ありがとう」

日の光がさんさんと降り注ぐギリシャ平原。
超魔神との厳しく辛く長い戦いを耐え抜き、ようやく最終進化を果たしたジークフリートの祝賀会が開かれていた。
すでに多くの神々が参加しており、もてなしで出されている料理を口にしながらの雑談を楽しんでいる。

「かっこいい!ジークいいな、いいなー!」
「すっごく強そうになったねー!おめでとー!」
「強そうって、強くなったんですよアルテミス」

自分のことの様に喜ぶアポロン、アルテミス。
二人も何とか進化石を入手し、今や黒と赤を基調とした衣装に身を包んでいた。

「すみませんねお二人は一段階だけで」
「本当だよー!ひどいじゃない!もう!」
「ひどいはこっちのセリフですよ 貢物難民なめんな」
「ごめんなさい」

三人の進化にあたり、細々溜め込んでいた貢物はほぼ空である。
明日からまた貢物探して三千里ですかね。
青年の苦労は絶えない。

「…………」

ふと見れば、少し離れた場所からじっとこちらを伺っている男神が一人。
ギリシャエリアの軍神で、よく青年のお供をしてくれるアレスだ。

「おやどうしたのですか、アレス神」
「……いや……別に……」

声をかけても何か気まずそうである。

「突っ立っていないで君も参加したらどうだい?マリネもあるよ。君、好きだよね?」
「……ああ……」

気をきかせたペルセウスが差し出したマリネにも手をつけない。
心ここにあらず、と言ったふうだ。
まあ大好きなジークフリートに近付けないんですから仕方ないかもですね、と内心苦笑する。
どちらかと言えばいつもくっついているのはジークフリートのほうなので、正確には「来てもらえないから」仕方ない。
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