百神いろいろ置き場

□ジーアレ その3
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ちょっと昔の、まだ神様たちが普通に暮らしていたころ。



ある日、愛の神クピドは、楽しそうに会話する二人の男神女神を見つけました。
その二人は、かねてからくっつけばいいのに!とクピドをやきもきさせていた二人でした。
絶好のチャンスとばかりクピドは愛の矢をつがえます。
男神が動かなさそうなのを見て、クピドは矢を放ちました。
矢は狙い違わず男神に命中し、そのまますぅと空気に溶けて消えました。
これで彼は彼女の虜!
久しぶりにうまくいったことに満足したクピドはこっそりその場を離れました。



が、クピドはいくつかの誤算に気付いていませんでした。



まず、矢が男神に命中した瞬間、彼が彼女から視線を外していたこと。



そして、彼女の後ろをちょうど通りがかったある神を見たこと。



さらに、矢の効果でその神に一目惚れをしてしまったこと。



こうして、男神と女神はクピドの思惑からは果てしなく遠い結果になってしまったのでした。
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