戦国(イクサ)の言葉
□ワールド・エンド
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…どれほどの時間が経ったころだったか。
彼女が、口をひらいた。
「まさ、む…ね…ど……」
「…どうした?」
「…さい…ごに、たのみが……」
「………。」
小さく頷き、彼女を正面から見つめる。
…最後の力を振り絞っているのが痛いほど伝わってきた。
「……どうか…この、…それがしを」
「………。」
「ころして……くだされ…」
思わず表情をかえてしまった。
だが彼女の眼は、真剣で。
「やく…そくを……」
「…果たしたい、」
「………はい」
――最期は、相手の手で。
彼女は、それを果たしたいと。
「…どうか……この、いのちが、…ほかの…だれ…かに、うばわれ…まえ……に」
「俺自身がトドメをさせ」
「……っ」
僅かに頷いた彼女は、もう今すぐにでも命の灯火が消えてしまいそうだ。
だが、両の眼はまっすぐに相手を見つめていて。
その表情も、愛しくて。
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