戦国(イクサ)の言葉
□ワールド・エンド
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「…はや、く」
「………っ」
「かたなで…」
「っ!!」
両手で、一本の刀を握りしめる。
そのまま、彼女の胸元へ刃をむけた。
「……悪い…」
「いえ……ありが、と…」
彼女の手が、そっと男の手に重なる。
2人で一本の刀をもつ形になっていた。
…彼女の手は、震えていた。
残された時間は、あと僅か。
「ありが…う、…まさ…ねど……」
「………ああ」
彼女が、そっと両目をとじた。
『……あいして、おりまする……』
最期に言葉が伝わった瞬間、彼女の胸に刃を思い切り突き刺す。
そのまま強く抱き締めた時、彼女はもう冷たくなっていた。
…だが、その表情は…
暖かい。
「…………I love you……『幸村』」
そして、『幸村』の唇に。
…そっと、口付けを落とした。
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