戦国(イクサ)の言葉
□ワールド・エンド
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「…政宗様」
後ろから声が聞こえる。
兄貴分の、一番の部下の声だ。
「…どうした」
なぜか声が震えてしまった。
冷たくなった『幸村』をずっと抱き締めていたせいか。
「……真田幸村の側近の忍から」
「…猿飛か」
「貴方様と真田のことで、最期の伝言が」
「伝言?」
部下が動く気配。
そっと耳打ちされた言葉は、信じられないことであった。
「……realy?」
「真です」
「…………ha………」
思わず『幸村』を凝視する。
言われてみれば、その顔つきは。
――「少女」というよりも、「母親」。
「…何だよ…最高の置き土産じゃねぇか……」
――真田幸村が、政宗様の子を産んだそうです…――