現（ｳﾂﾂ）の合図
□空前フライング
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「すまぬ佐助！真にすまぬ！！」
両手を合わせて頭を下げる弟分の顔をよしよしと撫でてやる。
本当に申し訳なさそうに眼を向ける彼は、下校の時間だというのに鞄を持っていない。
「だから大丈夫だって……終わるまで待ってるからさ」
「かっ……かたじけない」
ぺこりと頭を下げ、すぐに校舎内へと去っていく。
…彼は今から二時間ほど、英語の補習を受けることになっているのだ。
成績が悪い生徒むけのこのイベントに、英語が破滅的に苦手な彼は見事に引っ掛かってしまったのだった。
……かといって、今から二時間ほど。
どう過ごすかは全く決めていない。
「…ちょっと散歩でもしようかな…」
携帯で時間を見つつ、どこかへと歩き始めた。
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