前歴（ｶｺ）の軌跡
□短文ログ（ダテサナ）
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＊「愛羅武勇！」
「幸村…I love you……」
「…そういえば政宗殿」
「An？」
そっと口付けようと思った瞬間、突然関係のないことを言われて不機嫌になる。
ムードも何も感じ取らない恋人に、いつも苦戦している。
その当本人の幸村は、政宗をじっと見ながら言った。
「……政宗殿はなぜ某に武勇への愛を紡ぐのでござるか？」
「……………は？」
全く思ってもいなかった言葉だ。
幸村の前では、幸村自身への愛の言葉しか言わないはずなのに。
「だって…政宗殿がいつも仰っておられるではありませぬか」
「俺が？！何て？！」
「愛羅武勇」
「……………は？」
また同じように阿呆らしい声を出してしまった。
…あいらぶゆう。
「…Ahー…これはな幸村、南蛮語だ」
「なんと！真にござるか？！」
「あ、ああ……」
素で驚く幸村に面食らう。
気を取り直し、政宗が続ける。
「I love you…アンタが好きだという意味だ」
「なっ………！！」
幸村が顔を赤くする。
ようやくわかってくれたか、とホッとしたのもつかの間。
「…政宗殿はやはり武勇への愛を紡いでいたのでござりまするか？！」
――だからなぜそうなる！
――――――――――
王道シチュエーションに挑戦…そして玉砕。