01/06の日記
00:32
永遠の螺旋の中、僕等は 2(政幸♀連載)
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※連載
不老不死、というのはなかなか面白いものだ。
何をやっても死なない、
何をされても死なない。
その身体は老いることはなく、ただ世界を見つめる。
「科学者」という者達から産まれて以来、俺は一歩退いた位置から「動物」や「人間」、「世界」を観察していた。
気まぐれに様々な地を訪れては、そこにいた「人間」達の動きを見つめる。
歴史という形で語り継がれてはいるが、少々違う点もあるような気がするのがまた面白い。
「人間」と少し関わったせいで「戦争」に巻き込まれたことも何度かあったが、
…不死の身体を持っているのだ、どんな激戦地でも生き残った。
「観察」は楽しいものだった。
だが、逆に絶望も味わったのだ。
…欲深い、
「人間」の醜さに。
―――
「……政宗殿?」
少女の声でようやく現実に引き戻される。
目の前ではベッドの上の幸村が不思議そうに俺の顔を覗きこんでいた。
「どうされました」
「ん?………昔をな、思い出してた」
「昔?」
「歴史の年表を眺めるようにな」
ニヤリと笑ってやれば、「人間」の少女である幸村もまた太陽のような笑みを見せた。
「政宗殿はやはり物識りですな」
そして現代、
この幸村という「人間」の少女に出会った。
彼女は太陽そのものであった。
俺を明るく照らし、植え付けられ始めた「人間」への嫌悪感をも取り去った。
そんな彼女が言ったのだ、
『長年生きてきた、というのは素晴らしいことではありませぬか!
それこそ、人間の暖かさをもずっと感じられてきたのでしょう?
それに、
きっとその知識が…いつか誰かを救う手立てになる気が致すのです』
「人間」は、素晴らしい生き物なのだと。
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今回は政宗の紹介です。
本編で書けそうにないのでここで補足しますが、
政宗は初めは科学者たちによって作られた、という設定です。
今現在でも先祖の後を継いで生物の研究をしている科学者(なんか日本語変)が政宗を定期的にメンテナンスしてます。
多分次あたりからシリアスモード…かもしれません。
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