01/17の日記

23:45
永遠の螺旋の中、僕等は 6
---------------
※連載



思い起こせば、
4年ほど前だったか。


幸村と出会ったのは。


その時から幸村は身体が弱かった。


だが一度話をすれば、
明るい人柄に引き込まれていった。



――すべてを受けとめ、
純粋に未来を見据える……



アイツはそういう奴だった。





今まで特定の「人間」に長く接することは無かったのだが、ここまで踏み込んだのは初めてのことだった。


いつしか幸村を目で追い、
いつしか幸村を気にかけ、

そして自ら話しかけた時に気がついた。


この少女を無関心にはいられないことに。





―――


政宗殿は不思議なお方だ。

初めて出会ったのは確か4年前、
人ごみの中で彼はひとり立っていた。


まるでそこだけ別の空間であるような中、人を寄せ付けないかのような雰囲気を身に纏っていた。


そんな彼と目が合った瞬間に、政宗殿に捕われた感覚がして。
しかし左しか見えなかった眼には、哀しみと諦めの感情が見えた。



それからたくさんの時が過ぎて。
たくさん政宗殿に話しかけて。

…いつしか、政宗殿自身の体質のことも教えてくださった。
確かに初めは驚いたけれど、ただ今までずっと独りだったことを考えていたら、なぜか涙が溢れた。





…そのとき、
こう思ったのだ。



共にいて、
政宗殿の心を癒すことができればよいのに、と。









―――――

…そして。

――恋に落ちることには、
全く抵抗もなかった…――

―――――






俺を「作った」奴は、

愚かだと嘲笑うかもしれない。




だがそれほど幸村に惹かれている。
その事だけは譲らない。




けれど、
もしも俺の存在が幸村を悩ませているのならば。
幸村が生きたいと言うのは俺がいるからだというのならば。


…俺は、
身を引くべきなのかもしれない――――。


―――――――――――

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ