上×一は
□愛おしくて、
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愛おしい君を想う、この気持ちが、苦しくて、切なくて、私は、どうにかなってしまいそう。
愛おしくて、
「七松先輩」
向日葵のように笑う君を。
私は好きになった。
君の笑顔を初めて見たとき、白黒の世界が色を持った。
心の奥から、温かなものが流れ出た。
私の顔も笑顔になる。
「金吾」
その笑顔が私に向けられるだけで、幸せだった。
それなのに…
「…戸部先生」
その切ない声が。
その慕う想いが。
私を壊していく。
他の人のものになる君が、嫌だった。
なぜ、私ではだめなんだ。
なぜ、その人じゃないとだめなんだ。
胸が苦しい。
その人に向けられる君の笑顔。
その笑顔は私のものではないのだ。
「…、」
胸が苦しい。