上×一は

□愛しい貴方、艶やかな君
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するする、と髪を辿り首に唇を宛てる。


「ふ…っん」


久しぶりの感覚に声が漏れる。
キスをされたそこから熱が生じる。


首、鎖骨、と下へと口が這っていく。


貴方の手がするり、と袷を開かせ、腹掛けの紐を解いた。


めくり上げられ、露わになった肌の上を手がそっと置かれる。


左側にある、数え切れないほどの傷痕を指が辿っていく。
するする、と。


「ふん…っぁ」


声を抑えようと手を口に持っていくが、貴方の手に捕まえられた。


「金吾、声聞かせてくれ」

「小平太先輩…っ」


唇の強張りを解くように貴方はキスをした。

優しく下唇を噛み、舌を入り込ませ、深くしていくそれは自然と自分からも絡ませてしまう。


「ふ…ん、」


口を離せば、もう声を我慢することはできない。

顎にキスをし、今度は首、鎖骨に赤い花を咲かせていく。


「ぁ…っ」


痛いぐらい吸われる。


「やっぱり、前付けたヤツ、消えちゃってるな」


寂しそうに言う貴方が儚くて。


「傷になるまで、噛んでも良いですよ」


そう言うと、貴方は悲しそうな顔をした。
眉を寄せて、普段は絶対見せない真剣な顔を。


「私であろうと、金吾に傷を付けたくない」


そう言って、次々に傷跡へキスを落としていく。



なんだろう、胸がきゅん、となった。

年々、貴方に落ちていく。



「じゃ、一杯付けて下さい」



にこり、と微笑めば、貴方も同じ顔に。



「仰せのままに」


ちゅ、ちゅ、とキスをした後に強く吸われる。
痛みは感じるも、心地よさも感じて、声が出る。


「んぁ、ッ…ふ」


赤い花が散りばめられる。

沢山、とは言ったもののしつこいぐらいに付けていく貴方に焦らされているのか、と思う。


無意識の内にびくびく、と体が跳ね、弱々しく首を振る。


「ふぁ…っん」


既に衣服は剥ぎ取られ、足にもキスを落とす。
中心部に近く、際どい部分ばかり。


足を恥ずかしいくらい大きく開かせる。


羞恥心で顔に熱が向かう。


「ぃや、ァッ…」
「何が、嫌なんだ?金吾」

足を持ち上げて、見せるかのように大腿部を舐め上げる。


がいにふるふる、と欲望は高まっていた。


「小平太、せんぱ…ッ」


しゅるり、しゅるりと褌を脱がされる。
そして、そそり立つそれを口に含ませた。


舌でじゅ、吸われる。
敏感な部分を弄られる。


「ふぁっ、あアァッ…!」


卑猥な水音が部屋に響く。

まだ、西日が障子を照らしている時刻には似つかわしくない音。


いけないことをしているのだと、思い知らされる。



貴方との秘め事。
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