上×一は

□愛しい貴方、艶やかな君
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「金吾…ッ」


すぐさま、指が抜かれる。

ぶる、と身震いがした。指を抜くという行為だけでも、快感に変わる。


「入れるぞ…、力抜けな…金吾っ」


こくん、と頷く。

深く息を吐いて、自分を落ち着かせる。


感じたい、とは言っても指よりも何倍もの質量があるそれを入れるのは、生半可の構えじゃダメだ。
入れるときは、どんなに時間をかけてくつろげさせても、痛みは生じる。


足を持ち上げて、入れる体制を作る。
腿の裏側に、ちゅ、とキスをすると、ぐっと腰を進めた。


「…ああッ!」


普段は入れるところではないその器官に圧倒的なそれを入れていく行為。


自然と涙が流れる。

その涙を優しく舐めとってくれる貴方。


大丈夫です、とにっこりと笑ってみる。

貴方もふわり、と笑ってくれた。


「金吾、あと少しな」


こくり、と頷く。
ず、ずと残りを入れていく。


身を裂かれるような痛み、辛さ。


しかし、これが貴方からの行為だと思えば、いくらでも我慢できる。


そしてこの辛さの後に待っている甘い、甘い行為に想いを馳せる。



「ふあっ…ア、あっ」

「全部入った」



ふう、と息を同時に吐く。

そして、口付けをする。
深く合わせたり、舌を吸ったり、相手の唇を軟く噛んだり。


その行為に没頭する。


緊張が解けた、と分かると、貴方は腰を動かし始めた。


「い…、ああッ…ん!」


鋭い痛みと同時に快感が湧き始めた。

それに気付いた貴方はどんどんとペースを早くする。


嬌声が部屋に響く。

廊下に人がいたら、絶対聞こえてしまう。

でも、頭では分かっていても、声を我慢することはできなかった。


「金吾…」


はらり、と紐が解け、貴方のふわふわとした髪が降ってくる。

汗が滴り、自分の肌の上にぽたり、と落ちた。


「小平太…せん、ぱいッ!」


中の壁を擦られて、熱が高ぶる。

一番感じるところを何度も、そうされれば、もう熱しか感じられなくて。


思考がぶっとんだ。


貴方の動きに合わせるかのように、自ら腰を振る。


早く、この熱から開放されたい。
このもどかしさから抜け出したい。


でも、貴方を感じていたい。


そんな矛盾した想いに包まれながら、達した。


遅れて、中で貴方のものが弾ける。


「ああ、アッ…!」


体が虚脱感で包まれる。

貴方は息を切らしながら、覆い被さってきた。

中のものがぐりゅ、と壁を抉る。


「ンンッ…ぁ、」

「すまん、金吾」


笑う貴方に、ただ顔が熱くなる。


そうして、優しく髪を撫でる。

さらさら、と指から落ちていく。

指に絡めて、口元へと運ぶ。


「金吾の髪は綺麗だ…」

「ありがとうございます」


はあ、と熱い息を漏らしながら答える。


「金吾…綺麗だ」


まるで、自分のことを綺麗だと、言われている錯覚に陥った。

いや、実際そう言っているのかもしれない。


「愛しているよ…金吾」

「小平太、先輩」


貴方のキスが降って来た。



そして、長い長い夜が始まったのだった。
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