上×一は

□そうして、私は手に
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さっきとは打って変わって、私の目を見つめる金吾。

金吾の目の奥で期待と不安が入り混じる。


もう、戻れないぞ。金吾。

私の元へ来い。

自分の意思で。


「私が好きなんだろ?」

「…っ」


「じゃあ今から私としてくれるな…?」


金吾の体がびくり、と震えた。

顔が更に高潮した。


金吾の返事はもう、分かってる。


するり、するり。


金吾の服を脱がしていく。
上着を肩からずらし、腹掛けをめくり上げる。
真っ白な肌が露わになる。
まだ幼いと分かる、柔らかく滑らかな肌。

その感触の心地よさに口角が上がる。

自分でもその笑みは艶のあるものだったと思う。


金吾が私に見惚れていた。

その視線にどくん、と胸が鳴る。



「……………はい」



金吾の返事が甘く、そして艶やかに私の耳に届いた。


私に誘われるように、腕の中へと収まった。



契りを交わす。

口付けをしよう。

噛み付くような。

相手を奮い立たせるような。


そんな甘い、甘い口付け。

でも苦くて、悲しい口付け。


金吾の胸をやわやわ、と揉みだす。
ぷくり、と主張するように立ち上がっている両胸の飾りを煽る。

片方は捏ねたり、摘んだり。軽く引っ張ったり。

もう片方は口に含む。
舌で刺激していく。

じゅ、と吸ったり。唇で軽く噛んだり。


「あぁっ、だめッ…ななまつ、せんっぱい」


金吾の堪えるような声が頭から降ってくる。
手の行き場に困り、私の頭を緩く掴む。


私の頭を抱えるように背を丸める金吾。


金吾の涙がぽたり、と首筋に落ちた。
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