上×一は

□悲し、愛し
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―――金吾


ぼくの頭を撫でる小平太先輩。
笑顔でぼくの名前を呼んでくれる。

それにぼくは微笑んだ。


ふと、目が覚める。

ああ、夢か。

幸せな夢。


小平太先輩がぼくの大好きな笑顔をぼくに向けてくれる、そんな夢。


すると、夢うつつな頭を朧気にぼくを求める艶っぽい小平太先輩が過ぎった。


―――金吾…っ


何だろ、これも夢?
こんな夢見たことない。

でも、夢かなあ。

ぼくの願望が作り出した夢。

なぜだか、ほっとする自分がいた。


ごろんと寝返りをうとうとしたら、鋭い痛みがぼくを襲った。

あまりの痛みに一瞬で眠気がなくなる。


「…っ、ぅあ、」


痛みを耐えるように声を出す。

腰に鋭い痛みが生じる。
ぎゅ、と布団を握る。少しはそれで痛みが和らぐ。

少し周りを見てみる。


「ここ…医務室?」


自分の部屋でもなく、小平太先輩の部屋でもない。


「…ぼく、」
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