企画
□夜さり来い
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夜、また、お前のところへ。
さあ、前より楽しませてもらおう。
私の張った罠の中まで来い。
夜さり来い
そろそろ、だな。
私が忍術学園を卒業して、三年になる。
度々、任務が一段落したとき、学園に顔を出していた。
もちろん、兵太夫に会うためだ。
今回も学園の近くで任務があり、それが終わったので、学園に向かっているのだった。
そして、会うのともう一つ目的がある。
兵太夫は四年になった。
実習が主になってくる学年、潜入の課題も出てくる。
つまりは諜報の課題も入ってくるのだ。
そこでこの時期にとある授業が行われる。
諜報の任のときに大いに役立つ、房中術…いわゆる淫術と交接術だ。
実際使用するか、と聞かれればそんなに活用しない。
淫術とは相手をその気にさせる手法で、交接術とは実際の交接に際して用いられる技法である。
何かの文献で読んだのだが、本来の房中術とは異なるものらしい。
まぁ、ここでは割愛させていただこう。
ここまで、説明臭くなってしまったが、とりあえず兵太夫に手解きするのが今回の目的だ。
そもそも、私たちは恋仲同士なのだが。
手解き、というのも一つの趣向だ。今日は楽しませてもらおうと思う。
今、兵太夫は何をしている。