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□『小さな手を握って』
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『小さな手を握って』
「銀たん!!」
「うぉ!!!」
俺の足元に「何か」が飛び付いてきた。
「あちょんでくーたい」
その「何か」が俺に遊んで欲しいと言ってきた。
足元に飛び付いてきたり、遊んでとせがむ「何か」とは、三年前に高杉と、高杉の嫁の雅子ちゃんとの間に生まれた「陽助」と言うガキだ。
見た目は高杉の幼い頃そのままだが、中身が雅子ちゃんに似たのか、高杉と違い、生意気さがまるでない。
正直、めちゃくちゃ可愛い。
「おーし。陽助、何して遊びてぇ?」
「うんとね、おたんぽ。」
「そんじゃ、外行くか!」
「あい!」
陽助の小さな手を握り、「おたんぽ」をするため、俺たちは外へ出た。
『小さな手を握って』
END.