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□『君が居たから・・・』
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『君が居たから・・・』











「陽助、そろそろ帰るか。」

「あい。」


あれから「おたんぽ」をしに外へと出た俺達二人は商店街へ行ったり、河原で遊んだりした。



そうしている間にいつの間にか、当たりはほの暗くなっていたので、俺は陽助に帰ろう、と言った。








帰り道、
歩いている途中俺は、ふと、頭の中を過ぎった事を陽助に聞いてみた。











「お前の父ちゃん、優しいか?」



「うん!とってもやちゃちぃ!!!」


と、満面の笑みで俺の問いに答えた。



その答えに俺は、


「そっかぁ」


と、言って陽助の頭を撫でた。











聞いた事に対して特に大きな意味はない。




ただなんとなく聞いてみたかった。







お前の父ちゃんが、高杉が、『攘夷志士』としてではなく、『父親』としてどうなのかを。











まぁ、思った通りの答えだったけど。





高杉は本当に変わった。驚く程変わった。








正直、俺はアイツがそこまで変われるとは思ってもいなかった。





アイツが変われたのは、雅子ちゃんと陽助のおかげ。











俺や、ヅラだけじゃ、あそこまで変えてやれなかった。











雅子ちゃん、
本当にありがとう。アイツを、高杉を変えてくれて。




陽助、
本当に生まれてきてくれてありがとう。









君ら二人が居たから、今のアイツは存在する。











本当に、本当に、











ありがとう
















『君が居たから・・・』


END.

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