ガッシュ
□王様は変態に育ちました
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王様は変態に育ちました
「……ガッシュ、もう一度言ってくれないか」
取り落としかけた紅茶のカップをテーブルに戻しながら、ゼオンは、なるたけ冷静に尋ねた。
「うぬ。だから、昨日、私は清麿を抱いてしまったのだ」
目眩がした。
「……本気で言っているのか」
「ウヌ。私はいつでも本気だそ! 」
ここでそんな宣言をされても扱いに困る。
「"抱く"の意味をわかっているのか」
「もちろんなのだ! 私のペニスを清麿の……」
「いや、もういい」
身振り手振りまでつけて説明を始めようとするガッシュを制して、ゼオンは眉間を押さえた。
「……で、まさかそれだけを言うためにここまで来たわけでは無いだろう」
「はっ、そうなのだ! 実はそれから清麿が私に会ってくれなくて困っておるのだ! 」
清麿清麿と今度は半泣きで喚く弟に、まさか、とゼオンは声を掛ける。
「……同意でしたわけではなかったのか? 」
「何をなのだ? 」
「……だから、性交を、だ」
「……なっ! そんなわけ無かろう! 」
ガッシュの言葉に、ゼオンは、そうだよな、と少し安堵する。
まさか魔界の王ともあろう者がレイプなど……
「清麿も最終的には私を求めてくれたし、身体は反応しておったぞ! 」
「……ガッシュ、ちょっと待て。
"最終的には"、とは何だ」
「ウヌ、はじめは嫌だ嫌だと抵抗していたが、そんな清麿もまた可愛くての……」
ポォッと頬を染めて遠くを見つめる弟を見ながら、ゼオンは事のすべてを悟った。
とりあえず、今度清麿をねぎらいに行ってやろうと思う。
END