駄文
□マヨネーズ奢るっつったよなっ!?
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『マヨネーズおごります』
九兵衛さんの一件のときに、僕が土方さんに言った言葉。
あのとき土方さんは何も反応はよこさなかったけど、実はちゃんと僕の言った言葉を覚えていたのだと知ったのは、一件が片付いてから一月たったころだった。
スーパーにいく途中、団子屋の前で土方さんと遭遇した。
「おい、マヨネーズはどうした?ちゃんともってきただろうな?」
人の顔を見るなりドスの効いた声で、まるでカツアゲする不良のような台詞を言ってきた土方さん。
その気迫に押された僕は、挨拶の言葉を飲み込んでしまった。かわりに、盛大な溜息をつく。
「・・・いきなり、マヨネーズの話ですか・苦笑」
「お前が奢るっつぅから、こちとら一ヶ月もマヨネーズ食わずに待ってたんだからな。さぁ出せ。すぐさま出せ」
「(うわぁ、機嫌悪っ)いや、そんな急に出せって言われても・・・汗」
マヨネーズを常に持ち歩いてんのはアンタぐらいですよ・・・
そう言おうとして、あれ?と思った。
なんとなく視線を向けた団子屋には、『期間限定!お団子2本追加サービス』のたれまく。
「土方さん」
「なんだ?」
「お団子食べませんか?」
「あぁ?」
いきなり何を言い出すんだといわんばかりの表情をする土方さんの腕をひっぱり、団子屋の軒下にある長椅子に座らせた。
「おじさん、お団子二つ」
「はいよ」
威勢よく返事をした団子屋の主人は、前の客が使った皿をもって店の中へ戻っていく。
「おい・・これがマヨネーズの代わりとか言ったら・・・・泣くぞ」
泣くぞ・・・って(汗)アンタどこの駄々っ子ですか・・・
普段の大人でクールな土方さんと、今の子供っぽい土方さんのギャップに思わず笑いがこみあげる。
「大丈夫ですよ、マヨはちゃんと奢ります」
「そうか、ならいい」
クスクス笑いながら言う僕に土方さんは眉をひそめるが、それ以上追求はされなかった。