駄文
□あなたが、好きです。3
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「ちょっと待ちなさいっ、新ちゃん!神楽ちゃん捕まえて!!」
「アイアイサー!!」
ドシンッ!!
回れ右をして駆け出した僕に神楽ちゃんがタックルしてきて、あっけなく捕まった。
「・・神楽ちゃん・・・一生のお願いだから、見逃して・・・・」
「新八・・・・・」
いつもと様子が違うと思ったのか、僕の体にまきついてた神楽ちゃんの腕の力が緩まった。
今だっ
ガシッ
立ち上がったところで、猫ぜんまいのごとく、後ろ襟を捕まえられた。僕より身長の低い神楽ちゃんにこれはできない。おそるおそる振り向けば、さきほどより三割増しの姉上の笑顔。
「ダメよ新ちゃん。私と神楽ちゃんを心配させたからには、きっちりと事情を話してもらいますからね」
もう・・・・こうなったら・・・あれだ・・・・落ちるとこまで、落ちよう・・・
そしたら、後は這い上がるだけだもんな・・・・・
でも、あがれるのかな・・僕・・・・
ちらりと姉上の後ろを見ると、銀さんと目があう。銀さんは気まずそうに視線をそらすと僕らに背をむけて歩きだした。
あがれないかも・・・・・
「姉御、天パが逃げようとしてるアル!!」
「神楽ちゃん、捕まえてっ!恒道館までひきずっていくのよっ!!」
「了解しましたァ!!」
「なっ!神楽、ばかっ、こっちくんじゃねぇっ!」
「姉御の命令は、絶対ネ。観念するアルよ、銀ちゃん!!」
夜兎族の本気モードは凄かった・・・・とだけ言っておこう。