BASARA逆トリ

□狂った歯車
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7月。初夏だと言うのに、ミンミンと蝉が鳴き、今年の暑さを主張する。

朝から五月蝿いな。
そろそろクーラー出すかな…

まだ起きていない頭で考えながら、私は寝返りをうった。すると、何やら柔らかい物に顔をぶつけた。

痛い…
な、何かある…?
何かあったかいんだけど

「ん…」

触ってみると、逞しい胸板が。

だ、れ?

いや、まだ頭が寝てるんだ…
うちに男の人が居るわけないでしょう…しかもこの人鉢巻き巻いてるし。何か可愛い顔してるし。

目を覚まそうよ私。とりあえず起きてみよう。

身体を起こそうと、身体に力を入れた瞬間、首筋に何か冷たい物が当てられた。

「動かないでね。」

低い声。ピリピリする感じ。
殺気だ。顔は見えない。

「ちょっと聞きたい事があるんだけど、答えてくれるかな?」

『はあ…』

「はあ、って君怖くないの?自分の置かれてる立場分かってる訳?」

『いや、分かるんでけど、眠くて…』

「めちゃめちゃ自由な子だねえ〜俺様のこと怖くないなんて」

『いや、怖くないって言うか、てか貴方誰ですか?そしてこちらの方々は誰ですか?何で家に居るんですか?いつ入ったんですか?あと、この体勢キツイので、起きてもいいですかね』

言いたい事を言ってスッキリした私に、謎の人物は、

うーん…何か掴めない子だなあ…間者かと思ったけど、それにしてはフニャフニャしてるし。違うのか…?いや、でも警戒しとく事にこしたことはない。俺様の任務は旦那を守る事だし。ていうか何で竜の旦那とか鬼の旦那と居るのよ?

『あの〜起きていいですか?』

「ん?うん。いいよ〜」

もそもそと起き上がる少女。

お互い、改めて顔を合わせる。

『初めまして。』

「初めまして。」

鋭利な刃物は向けられたまま、しまわれる事はない。

『とりあえず、皆さん起こして頂けますか?いろいろ聞きたいので。』


狂った歯車
 

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