BASARA逆トリ
□朱く染まる横顔
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彼らをうちに住まわせる事になったのだが、さて、第一に考える事は、服と食材だ。まあ、基本として、みんな元がいいので、何でも似合うだろう。となるとやはり食材だ。
買い物行かなきゃなあ…。
出費が…と頭を抱えていると、
ぐう〜、
と、豪快な音が聞こえてきた。
真田さんだ。
『…ご飯にしましょうか』
笑って言えば、恥ずかしそうに「かたじけない…」と俯いて言った。
さて、と立ち上がって台所へ。
何を食べるんだろう…と少し考えて、面倒になり、適当に量のある物を作る事にした。
パンを切っていると、猿飛さんがやって来た。
「何か手伝える事ある?」
『あっ、じゃあ冷蔵庫に入っている野菜を切ってもらえますか?』
「はーい…冷蔵庫ってコレ?」
冷蔵庫を訝しむような目で見る猿飛さん。やはり珍しいのだろう。すごい凝視してる。
『冷蔵庫っていうのは、食べ物を腐らせないようにする、電力で動いているからくりです。』
「未来はいろいろ便利になってんだねぇ」
何だか小さい子供に教えてるみたい、と笑いながら、パンをオーブンに入れ、スイッチを押した。パンが焼き上がるまでに、野菜スープとハムエッグ、サラダを作ろう。
猿飛さんが出してくれた野菜を切ろうと、ふとそちらを見れば、すでに切り終えられている野菜の山が。
「切っといたよ」とニヘラと笑う猿飛さん。オカンって呼んでいいかなあ…
ありがとうございます、と言って沸騰した鍋の中に野菜と、一口大に切ったソーセージ、コンソメの素を入れ、塩コショウで味付けをする。これで一品完成だ。続いてベーコンと卵を出して、フライパンに油をひく。フライパンがあったまってきたらベーコンをひいて卵を割り、入れる。蓋をして少し待つ。チン、と音がした。パンが焼けたようだ。
『猿飛さん、お皿出して貰えますか?』
「はいねー」
『フツーに作っちゃったけど、苦手な食べ物とかありましたか?』
「ううん。俺様と旦那はないよ。他の人はよく分からないけど」
『そうですか…』
「後で聞いてみよう」
『はい』
と言って、私は笑った。
(なんだ…笑うと案外……)
朱く染まる横顔