「いらっしゃいませ」
「うわ、お前ここの店で働いてんのかよ」
「ああ、黒崎くんもカラオケか」
もしも主人公が男だったら〜バイト編〜
「啓吾たちに無理やり連れてこられたんだよ」
「そうか。ああ、ロビーで待ってるのか」
「そうだよ」
「何名さまですか」
「四人」
「ドリンクバーはつけますか?」
「あーよろしく」
「かしこまりました」
「お前まだもててんのか?」
「別に」
「何だ意外だな。口説かれたり告白とかもないのか」
「いや、10人くらいにはされた」
「ええっ!!!誰に!!!」
「女性店員さんたち全員とお客さん数人」
「すげえな・・・」
「お陰で今日このバイトはクビになりそうだよ」
「なっ、なんで」
「女性問題が多すぎるといわれてな。バイト終わりに待ち伏せされてるし、誰かも知らない子に店のなかで大声で告白されるし、その場で断ったら大泣きされるし、女性店員さんの間で俺のことでもめるし。まあ、当然といえば当然だな」
「おお・・・なんか怖いな」
「しかしまあホワイトデーのお返しはなんとかなりそうだ」
「そうか。よかったな」
「ご希望の機種はありますか」
「いきなり店員に戻るなよ」
「学生のご利用時間は午後8時までとなってますのでよろしくお願いします」
(黒崎くんは何を歌うんだ)
(あ?ああー・・・)
(君はなんだか下手そうだなあ)
(うるせえよ)