世界に零れた月の雫

□壱章
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―LU.LU.S(ルルス)―
人間をベースに創られる有機生命体。適齢期の目安は、満7歳から13歳程度。

人の遺伝子情報に異形の情報を混ぜる事で産み出される生体兵器<バイオ・アームズ>の成功体であり、驚異的な生命力を持つ。

肉体は老化も成長もしないが、訓練等によって能力が向上したり肉体が変化したりする為、これを成長、或いは進化と呼ぶ者も多いが、厳密には環境適応能力によるもので、変化或いは変異というほうが正しい。


生命力の向上がもたらす力により、膂力、体力も同様に向上し、法術と呼ばれる力を人間よりも上手く扱えるようになる他、
その個体にしか扱えない特異な能力を発現させる者も稀に存在する。


通常、個体差はあるが約10年程、特殊な培養液の中で管理される。

これは、睡眠学習のような形で、LU.LUとしての肉体の動かし方を教える他、LU.LUとして適合出来ない者を選別する時期でもあり、適合出来ない者は、肉体と感情の全てを抹消される。


LU.LUとして適合し、目覚めた者は、その時期毎に番号を振られ、infantia(インファンティア)と呼ばれるLU.LU.Sとして最も低い階級<クラス>に入れられ、LU.LU.Sとしての基礎訓練を受け始める。


黒ずくめの男に連れ去られた3人の少年達も、通常の倍の時間、、、約21年超、選別管理を受けた以外は、同じだ。

LU.LU.Sとしての処置を受けてから、21年以上も眠り続け、成長しない小さな身体のまま目覚めた少年達は、10・11・12と番号を振られ、CREARE'S(クレアレス)のLU.LU.Sとして、生活していた。









―2073年―



LU.LU.Sとして目覚めた少年達、
地上で目覚めた最初のLU.LU.Sにして月で創られながら、月の世界を全く知らない、LU.LU.Sでもあった。

LU.LU.S infantia
第311期。10番、11番、12番


兵器予備軍の彼等は、infantiaと呼ばれる階級にて、各期40人前後が所属し、4年間の修学を受ける。

infantiaの階級では、肉体の訓練を中心に、LU.LU.Sとしての基本思想を植え付け、基本体力を向上させるのが目的だ。

また、infantiaの階級は、選別の延長上でもあり、LU.LU.Sの各個体毎に実際の問題点を、より正確なデータとして出し、適応出来ないモノは、ごく一部の例外を除き、魂以外の全てを抹消される。


また、実際に約40名集まらない事もしばしばで、時には、一人もいない事も珍しくはないため、4年各期に約40名で約160名、にはならず、実質的にinfantiaに所属し続け、上の階級に上がれる数は1/5以下の30人前後、一期辺りで残れるのは、10にも満たないごく僅かな数の者達だけなのだ。




―2074年―
infantiaに入って約1年、ある程度、暮らしにも慣れ、少年達は、基礎訓練の日々を送っていた。




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