朱の烙印ーA cinnabar red brandー

□Night when I seem to be awfully numbー酷く凍えそうな夜ー
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「もしかして、玉子。お前なのか?」
「離せ!」


オレは玉子の襟を掴み上げる。


「犯人がお前なら、オレを陥れたい理由に納得もいく」
「ふざけんな!自分で罪を認めろよ!」
「オレじゃねェって、言って……」


ふと、野嶋と目が合った。
玉子も野嶋を見る。


「野嶋クン、どうかした?」
「玉子くん。姫路くんが困ってるよ」
「……野嶋クンは姫路の肩を持つのかな?」
「わたし……玉子くんキライ……」
「へぇ、二人はデキてるんだ。それって、二人で川田を殺る事が――」


ゴス――
オレは玉子の頬をかすめるように壁を殴った。


「耳障りだ」
「ねぇ、赤く腫れたらどうすんの?」
「青に染めてやろうか?」


オレは本気だった。
今は、一人になりたい……

一人になって――



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