読切

□深海(うみのそこ)のマンドーラ
1ページ/11ページ




「バイバイ、あかね」


そう言って、ママがあたしをイヅ湖に突き落とした。


「やだ……助けて……ママ――」


青い空に、アブラ蝉が鳴きながら飛んでいく。
私の叫びも虚しく掻きけされた。

最後に見たのは、ママが“パパ”と走って行く姿だった。



.

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ