読切
□青空に続く橋
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いつも同じ場所にいる、小柄で細い彼。
仕事に向かう度に見掛ける。
「空、好きなんですか?」
いつも彼は空を見つめていたから、気になって聞いた。
「はい……」
少し寂しげな笑顔で彼は答える。
「今日は青空ですね」
「明日もですよ」
「え?」
「空が……ゆっくりと風を感じているんです」
「……本当だ」
こんなに、まじまじと空を見上げたのは初めてかもしれない。
私は空を見つめたまま、静かに目を閉じて風を感じる。
〈青空に続く橋〉
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